ワールドカフェの開催方法【優れた問いの例も解説】

ワールドカフェの開催方法

今回は、サークル活動や教室運営の活動内容のアイデア出しにも役に立つワークショップ手法の一つであるワールドカフェの開催方法について、「空吹きチャーリー亭」運営事務局スタッフが解説します。

本日の記事は、対話の場を企画する人で、

  • ワールドカフェっていうワークショップ手法があると聞いたけれどどんな時に使うの?
  • ワールドカフェの開催方法を具体的に知りたい!
  • ワールドカフェの場の質を高めるために必要な要素が何なのか教えてほしい!

という悩みを抱える人向けの記事になります。

この記事を読むことで、

  • ✅ワールドカフェの手法の概要と使う場面について理解できます。
  • ✅具体的に自分がワールドカフェを企画できるようになります。
  • ✅実際のワールドカフェの場の質を高める要素が何か学べます。
  • ✅優れた問いの設定例も学ぶことができます。

この記事の発信元について

  • 【空吹きチャーリー亭とは】
  • 東横線大倉山駅最寄り横浜市港北区大曽根にある学びのレンタルスペース・シェアキッチン。「おしえる、おそわる、仲間ができる。」をテーマに、地域の学びのサークル活動や教室開催、ブックカフェなどの飲食店営業の場としてご利用いただけます。
  • 活動支援として、活動初期段階でのアドバイス、リーダーの心得、仲間集め、広報展開、活動管理などの個別相談や研修なども実施しています。
  • 利用方法と料金バナー

では早速、ワールドカフェの開催方法について、深堀解説をしていきます。

1 ワールドカフェとは

ワールドカフェは、アメリカのアニータ・ブラウン氏とデイビッド・アイザックス氏によって1995年に提唱された、対話コミュニケーションの手法です。

自由な対話の中から、一人では導き出せないような気づき、アイデアが生まれてきます。

⑴ ワールドカフェの概要

ワールドカフェとは、その名の通り『カフェ』のようなリラックスした雰囲気の中で、 少人数に分かれたテーブルで自由な対話をし、机上の模造紙に自由にメモを取りながら、20分から30分の対話を行います。

これをメンバー変えながら3回程度行うことで、短時間でテーマに対する想いの共有やアイデアが他花受粉で広がります。

参加者同士の一体感も高まっていくという効果もあり、まちづくりやビジネス、チームビルディングなど、さまざまな場面で活用されています。

⑵ ワールドカフェの開催目的

ワールドカフェは、「決めない会議」とも言われていて、合意形成には向いていません。

決まった結論を得たり問題の解決を図ったりするのではなく、参加者同士がお互いの理解を深め、新たな気づきやアイデアを得ることを目的とします。

例えばサークル活動や教室運営の活動計画策定時には、合意形成する会議の前にまずはワールドカフェでお互いの想いや課題感などを共有したり、自由にアイデアを出し合ったりする場として活用すると有効です。

2 ワールドカフェの進め方

⑴ 事前準備

参加メンバーが決まっている場合は、お茶会をイメージした招待状を作りましょう。参加者を募集する場合も、堅苦しくないチラシがおすすめです。

次に会場の準備です。

テーブルは4−5人掛けとなるようにレイアウトしましょう。6人以上になってしまうと、発言時間が短くなってしまいますので避けましょう。

テーブルクロスを敷き、模造紙とグループ人数分以上の太マジックを置きます。さらに、お菓子や飲み物のほか、ぬいぐるみや折り紙、花なども準備して、カフェ風に雰囲気を盛り上げましょう。

壁にはカフェエチケット(添付のスライドを参照)を書いて、貼り出しましょう。最初にカフェエチケットを提示することで、全ての参加者が対等な立場で、楽しんで対話に参加することを促します。

【カフェエチケットの例】

  • 対等な立場で、会話を楽しみましょう!
  • 問いに意識を集中して話し合いましょう
  • あなたの考えを積極的に話しましょう
  • 話は短く、簡潔にお願いします
  • 相手の話に耳を傾けましょう
  • さまざまなアイデアの関係を考え、アイデアを繋ぎあわせてみましょう
  • 遊び心で、いたずら描きをしたり、絵を描いたりしましょう

⑵ 進め方

■チェックイン

まずはグループ毎に自己紹介などのチェックインを行いましょう。

■対話1回目

自己紹介が終わったら、早速、対話に入っていきます。

対話は、進行役や書記などの役割分担をせず、模造紙に全員がメモを取りながら進めていきます。まずは最初に、対話のテーマを模造紙の中心に書くこととから始めてもらいましょう。

気をつけたいのは書くことに集中してしまい、対話が止まってしまうことです。模造紙には気になったことを落書きの感覚で書き留めるイメージで、記録を正確に残すことを目指す必要はありません。

とはいえ描いてあるものを見ることで、対話が深まるということもありますので、全く描かないで話すということは避けましょう。

1回目の対話が終わったら、席替えを行います。一人をテーブルホストとして残し、他のメンバーはそれぞれが違うテーブルに旅立ちます。

■対話2回目

2回目の対話は、1回目の対話についての簡単なシェアから始まります。

テーブルホストが口火を切り、他のメンバーからもそれぞれのテーブルで起こっていたことについてシェアを行います。ここまでの時間は長くても5分。それ以上は掛けないようにしましょう。

全員のシェアが終わったところで、2回目の問いを発表し、対話に入ります。

2回目の対話が終わったら、再び席替えで、全員が元のテーブルに戻ります。

■対話3回目

また5分程度で直前の対話のシェアをした後、3回目の対話に入ります。

■ハーベスト

3回目の対話が終わったらハーベストです。ハーベストとは「収穫」を表す言葉で、その日の対話でどんな収穫があったかを全体でシェアします。

最後に1日の感想をグループまたは全体で共有し、ワールドカフェを終了します。

ここまでスケジュールとしては、会場準備に1時間、ワールドカフェ自体は2時間程度、後片付けに30分は取っておくと良いでしょう。

【参考】ワールドカフェ開催タイムスケジュール(例)

  • 13:00 (45分) 事前準備・事前打合せ
  • 13:45 (10分) 受付
  • 14:00 (10分) オープニング
  • 14:10 (5分) 自己紹介
  • 14:15 (20分) 対話1
  • 14:35 (5分) 席替え
  • 14:40 (20分) 対話2
  • 15:00 (10分) 席替え/休憩
  • 15:10 (20分) 対話3
  • 15:30 (20分) チェックアウト
  • 15:50 (10分) エンディング
  • 16:00(30分) 後片付け

3 場の質を左右する重要要素「問い」

ワールドカフェで最も重要なのが「優れた問い」をたてることです。

⑴ 優れた問いとは何か

優れた問いは、心の奥底にあった想いや、普段は気付けていなかったその人らしさを引き出します。考えてもいなかった視点を得ることで、斬新なアイデアが生み出されることもあります。

よくある「ワールドカフェ的対話」では、「◯◯について」という問いがよく見受けられますが、これでは「優れた問い」ではありません。なぜならば、普段思っている以上のことが、なかなか引き出されることがないからです。

では、どんな問いが優れているのか、そのポイントは次の3つです。

  1. 視座・視野・視点を変えた問いかけをする
  2. 抽象的な言葉をあえて使う
  3. 主語を「私たち」にする

まず「視座・視野・視点」を意識して、普段は考えない角度からの対話になるようにしましょう。

視座は「誰の立場で見るのか(どこからみるのか)」

例えばまちづくりでも、市長の立場、転入者の立場、子どもの立場では全く違うものが見えてきますよね。このように、自分ではない立場からの問いづくりをしてみましょう。

視野は「どこまでみるのか(範囲)」

例えば時間軸で考えると、5年でみるのか10年でみるのかでは全く違うアイデアが出てきます。また、現在・過去・未来を意識した問いをつくることもできます。

視点は「何をみるか(対象)」

何に着目した問いにするかで、結果は全く違うものになるのは、当然のことですよね。

「抽象的な言葉をあえて使う」というのは、いろんな意味に取られるようなキーワードを入れるということです。

少しハードルが高い感じですが、曖昧な言葉であるからこそ「これってどういう意味なんだろう」と語り合う過程で、お互いの本質を知ることができるのです。

例えば、団体のビジョンやミッションの中にあるキーワードの意味を問いかけると、互いの価値観を知り、理解を深めることができるので、活動計画を立てるときなどにはこの「問い」が生きてきます。

最後に「私たち」という主語にすることで主体性が生まれ、仲間意識も醸成されていきます。どんな問いが「優れている」のかは、自分一人ではなかなか気付けませんので、ぜひ仲間と一緒に考えてみてください。

⑵ 具体的な問いの例

【ガーデニングサークルの活動計画】

  • 対話1のテーマ「理想の庭」
  • 問い「あなたはどんな庭が素敵だと思いますか?
  • 対話2のテーマ「理想の庭」
  • 問い「理想の庭はあなたにどんなことをもたらしてくれますか?
  • 対話3のテーマ「みんなで実現したいこと」
  • 問い「そのために、私たちはどんなことができるでしょう?

【読書会の活動計画】

  • 対話1のテーマ「読書のもたらすもの」
  • 問い「あなたは読書を通してどんなことを得たいと思っていますか?
  • 対話2のテーマ「読書会のもたらすもの」
  • 問い「あなたにとって読書会はどんな存在ですか?
  • 対話3のテーマ「みんなで実現したいこと」
  • 問い「そのために、私たちはどんなことができるでしょう?

5 ワールドカフェの開催方法のポイントのまとめ

ここまでワールドカフェの開催にあたって必要なことを述べてきましたが、一番のポイントは何といっても「段取り」の部分です。

  • レイアウトの工夫で、話しやすさを創り出すこと
  • 優れた問いを立てること
  • 適切な時間配分をすること

この3つの要素をしっかりと準備して、素晴らしいカフェホスト(ワールドカフェの主催者)として対話を楽しみましょう。

 

空吹きチャーリー亭は、本日ご紹介したワールドカフェなども開催できるレンタルスペースです。

ワールドカフェの開催方法も個別に支援可能ですので詳細については、適宜お問合せください。

また、毎月第4日曜日はOPENDAYと日曜フリマです。ぜひお散歩のついでにお立ち寄りいただき、空ちゃの中をご覧になってください。

それでは、明日以降のあなたの活動が、より充実したものになるよう祈っています。

Instagram「@solafuki_charlie_tei」とTwitter「@solacha_jp」も更新していますので、是非ご覧ください。

この記事の発信元について

  • 【空吹きチャーリー亭とは】
  • 東横線大倉山駅最寄り横浜市港北区大曽根にある学びのレンタルスペース・シェアキッチン。「おしえる、おそわる、仲間ができる。」をテーマに、地域の学びのサークル活動や教室開催、ブックカフェなどの飲食店営業の場としてご利用いただけます。
  • 活動支援として、活動初期段階でのアドバイス、リーダーの心得、仲間集め、広報展開、活動管理などの個別相談や研修なども実施しています。
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